草加光明寺の掲示板に毎月掲出している言葉をご紹介いたします。取り上げる言葉とその解説は、『お寺の掲示板』(江田智昭著・新潮社)等を参考にさせていただいております。
「かんしゃくの くの字をすてて 日をくらす」
「癇癪(かんしゃく)」は最近あまり使われない言葉ですが、「お寺の掲示板」の江田さんは、そのありようを
自身の欲をコントロールできず、暴れたり、怒ったりする人はいつの時代にもいるものです。多くの物事を「当たり前」ととらえ、「有難い」と思う感覚が欠けると、人間は徐々に「怒りっぽく」なります。
と捉えます。
この法語は、お寺などに書かれてきた優れた掲示板の言葉を決める「輝け!お寺の掲示板大賞2022」で「仏教タイムズ賞」を受賞したものです。選定した仏教タイムス社(お寺やお坊さん向けの専門的な新聞社です)の講評にも、
小学生低学年にも伝わるシンプルなメッセージ。でも大人になるとこれができにくい。(後略)
とあります。私たちは年を取る中で目の前の物事への新鮮さを失い、何事も「当たり前」と捉えがちになる傾向があるようです。
江田さんは「かんしゃく」についての文章をこのように結びます。
当然のことですが、どんな事象も当たり前ではありません。いつも新鮮な気持ちで、さまざまな物事を「有難い」ととらえて、素直に感謝できる人間でありたいものです。
私たちは日々の生活に追われ、ともすれば慌ただしく過ごしてしまうものですが、そんなときにも「癇癪」よりも「感謝」の心を表しつつ暮らしていくことができればと思います。
引用部、すべて「お寺の掲示板の深~いお言葉」(江田智昭/ダイヤモンド・オンライン 2022年12月5日更新)より
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