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お知らせ

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お寺の掲示板(令和6年6月)

草加光明寺の掲示板に毎月掲出している言葉をご紹介いたします。取り上げる言葉とその解説は、『お寺の掲示板』(江田智昭著・新潮社)等を参考にさせていただいております。



「相手の過ちを必要以上に追求した瞬間 不幸が始まります」


これはアメリカの宗教家、ジョセフ・マーフィーの名言として広まっている言葉です。


『お寺の掲示板』の江田さんは、近年のSNSを通じて他者の過ちをに必要以上に追求する人達が可視化されてきたことに言及し、他者に向けた発言が自分自身への足かせとなって返っていくと分析していきます。

江田さんは仏教最古の経典のひとつ、『スッタニパータ』より

人が生まれたときには、実に口の中に斧が生じている。愚者は悪口を語って、その斧によって自分を断つのである。

ということばを引用し、他者の過ちを必要以上に攻撃することがおのれへの攻撃にもつながっていると示します。


 また、過ちを全く犯さずに生きている人はこの世界に存在しません。どんな人もさまざまな過ちを周囲に赦(ゆる)してもらいながら生きているのです。このことを忘れてはなりません。

そのうえで江田さんは、「赦す」に関するエピソードをご紹介します。


第二次世界大戦後に行われたサンフランシスコ講和会議にて、のちのスリランカ大統領となるジャヤワルダナ氏は当時のセイロン代表として会議に出席。多くの国々が日本への厳しい制裁を求める中、スピーチの中で『法句経』に基づいた言葉を述べました。


Hatred ceases not by hatred, But by love.
 これは、『法句経』の中の「怨(うら)みに報いるに怨みを以てしたならば、ついに怨みの息(や)むことがない。怨みをすててこそ息む」という有名なことばに由来したものです。
 ジャヤワルダナはそのスピーチの中で、対日賠償請求権の放棄を宣言し、日本を国際社会の一員として受け入れるように強く訴えかけました。この演説は、議場の人びとの心を揺さぶり、制裁を求めた戦勝国をも動かしたことで知られています。

江田さんは「日本はアジア諸国に対して多くの過ちを犯しましたが、寛容な気持ちで赦してくれた方がいたからこそ、現在の日本や私たちがある」と振り返り、「赦し」について、以下のようにまとめています。

 私たちは、他者を赦したことを覚えていても、他者から赦されたことは忘れてしまいがちです。自分自身がこれまでたくさん赦されてきたことをしっかり認識し、そのことに対して感謝できていれば、他者の過ちを徹底的に攻撃する気持ちにはなれないのではないでしょうか?
 自分自身が無数の赦しの中に存在していることを決して忘れないようにしたいものです。

「無数の赦しの中に存在している」ということ、忘れてしまいがちですが本当に大切なことと味あわせていただきました。


引用部、『「お寺の掲示板」の深〜いお言葉』(江田智昭/ダイヤモンドオンライン 2023年11月20日更新)より

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