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お知らせ

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お寺の掲示板(令和6年7月)

草加光明寺の掲示板に毎月掲出している言葉をご紹介いたします。取り上げる言葉とその解説は、『お寺の掲示板』(江田智昭著・新潮社)等を参考にさせていただいております。



「できることが 減りました ありがとうが 増えました」


とあるお寺の掲示板に掲示されていた言葉です。


『お寺の掲示板』の江田さんによると、日本人の多くが「周囲(他人)に迷惑をかけるな」と言われて育てられ、そのためか他者に依存することが苦手な人が多いように見受けられるそうです。


江田さんは「依存」や「人間関係」の問題について考える中で、『スッタニパータ』という経典の中に出てくる二つの言葉を引用します。

 われらは実に朋友を得る幸せを褒め称える。自分よりも勝れ、あるいは等しい朋友には、親しみ近づくべきである。このような朋友を得ることができなければ、罪過(つみとが)のない生活を楽しんで、犀(サイ)の角のようにただ独り歩め。
学識豊かで真理をわきまえ、高邁、明敏な友と交われ。

そこから、「親しむ人や人間関係には気をつけること」いうお釈迦様の意図を解いていきます。

 

とはいえ、私達の実生活の中では、必ずしも学識豊かな方々が自分の周囲にいるわけではないこと、周りにそのような人が全くいないからと独りで孤独に生きていくというわけにもいかないことを指摘します。

周囲の人びととの関係を全く築かず独りで生きていくことは、現実には不可能なのです。

そのうえで、加齢によって人間関係を広げることが億劫になりがちなこと、「気がつけば狭い特定の人間関係しか残っていなかった」という状況に多くの人が陥りがちであることを伝え、特定の人間関係が途切れた先に待っているのは、孤独な生活だと示していきます。


江田さんは「自立とは依存先を増やすこと」という熊谷晋一郎さん(東京大学先端科学技術研究センター准教授,小児科医)の有名な言葉を示し、ここでの「自立」を説明します。


一般的に、「自立とは誰にも依存しないこと」だと考えがちですが、決してそうではありません。 
若くて健康な時は一人で何でもできるかもしれませんが、歳を取れば取るほど自分一人ではできないことが増えてきます。そうなると、どうしても他人に依存せざるを得ません。ですから、依存先を増やしておくことが人生のリスク回避につながるのです。

また、よき「依存」について 

多くの人びとに依存できるかどうかは、多くの人びとに対して「ありがとう」という気持ちを持ち、感謝できるかどうかが一つのポイントになります。

このように多くの人に依存できるためのポイントを示し、掲示板の言葉(「できることが 減りました ありがとうが 増えました」)を教えてくださいます。


「ありがとう」という気持ちを持つことの大切さ、多くの人々に、まずは身近な方に、感謝することの大切さを学ばせていただきました。


引用部、『「お寺の掲示板」の深〜いお言葉』(江田智昭/ダイヤモンドオンライン 2023年11月27日更新)より

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