草加光明寺の掲示板に毎月掲出している言葉をご紹介いたします。取り上げる言葉とその解説は、『お寺の掲示板』(江田智昭著・新潮社)等を参考にさせていただいております。

「しあわせは 築くものじゃなくて 気づくもの」南條了瑛
今回の掲示板の言葉は、浄土真宗本願寺派の僧侶、南條了瑛師が法話の際に紹介した言葉に由来します。
この言葉は、(公財)仏教伝道協会が開催した「輝け!お寺の掲示板大賞2024」では仏教系の新聞社「中外日報」から、「中外日報賞」を受賞しました。
中外日報社による講評は以下の通りです。
人は誰しも「幸せな人生を生きたい」と願います。でも「幸せ」って何だろう?立派な家や財産を築いたとしても、心の平安は得られません。幸せとは、いま生きていることの不思議に気づく時に心を満たすもの――そんなことを教えてくれます。
『お寺の掲示板』の江田さんは、周囲からは大変恵まれているように見えても不満を漏らしている人が大勢いることを述べ、「そのような人は自分が幸せとはなかなか認められないのでしょう」と見ていきます。
江田さんはフランスの哲学者・詩人のアランが著した『幸福論』をもとに、幸福について考えていきます。そこでは主に努力や意志により幸福になることが説かれているそうです。
つまり、幸福になるためには、外的なもの(資産など)を築く努力よりも、自分自身の内面(心)を整える努力が必要になります。自身の内面をある程度コントロールして、幸せに気づく能力を発達させなければ、外的な資産などでいくら恵まれても幸せになることはできません。
江田さんはお釈迦さまが語られたことばを元にした『スッタニパータ』という経典の「こよなき幸せ」という章から、仏教の幸福論を紹介します。
世俗のことがらに触れても、その人の心が動揺せず、憂いなく、汚れを離れ、安穏(あんのん)であること、─これがこよなき幸せである。
中村元訳『ブッダのことば スッターニパータ』(岩波文庫)
江田さんは最後に、非常にシンプルな言葉で幸福とは何かをしめくくります。
自分が幸せかどうかは、いまの自分の心の状態が決める。このことを忘れないようにしましょう。
世俗に生きながら、動揺なく、憂いなき心を保つのはお釈迦さまではない私たちには難しいものですが、自分の心の状態に気づけるようにすることは、「しあわせ」につながる道の第一歩かもしれません。
引用部、『「お寺の掲示板」の深〜いお言葉』(江田智昭/ダイヤモンドオンライン 2025年3月3日更新)より
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